順平の日記

写真家 上田順平の日記・エッセイ・お知らせなどを発信するブログです。皆様よろしくお願いします。

サムハラ神社にお参り

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 明日からのアムステルダム行きに備えて、サムハラ神社にお参りに行ってきました。LUMIX MEETS /BEYOND2020が沢山の人達に届きますように。

 

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サムハラ神社は大阪市の西区にある神社で、強力なパワースポットという事で有名な場所です。光と風が心地よい夕方でした。さっ、海外での初展示!荷造りしよ〜。

 

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写真集 「Picture of My Life」 販売ぺージ

写真集「Picture of My Life」の紹介販売ページを作りました。僕のWEBサイトからこのページに飛ぶことができますので、ぜひご覧ください。

http://www.junpei-u.com/mylife_sale/index.html

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IMAのオンラインギャラリー IMAGRAPHY

IMAのオンラインギャラリーで「Picture of My Life」を載せて貰っています。

本日9月1日〜掲載スタートして9月30日まで順次作品がアップされ、最終的に30カットになります。BEYOND2020に一緒に参加される作家さんの作品も掲載中で、皆さんカッコ良いです。どうぞお楽しみください。

imaonline.jp

 

そして告知です。9月3日(日)14時〜梅田蔦屋書店にて写真集「Picture of My Life」出版記念トークイベントを行います。写真集出版につながった手製本21部の制作販売から、普及版500部の写真集出版に至るまでのお話をさせて頂きます。

まだお席に余裕がありますので、ぜひ一度「Picture of My Life」を見にいらしてください。関西の皆さま、駆け出しの写真家に清き一票をどうぞよろしくお願いいたします!

日程:9月3日(日)
時間:14時〜16時
場所:梅田 蔦屋書店ここからご予約をお願いします。
http://real.tsite.jp/umeda/event/2017/08/ueda-junpei.html

 

 

9. 写真家

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 娘の誕生を撮った写真を見ることで、僕は両親と会話するような感覚を持つことができた。そして、長く忘れていた両親の祭壇の写真を思い出した。生と死。僕にとっての充足と欠落の出来事を1つの塊として見たい。自分の人生を物語としてまとめたいという欲求が僕の中で膨らんでいった。それからは過去の写真を見返す、今の家族写真を撮る、写真の束を作品として人に見てもらう、という一連の制作サイクルを自分のために行うようになった。

新しい家族ができて子を授かり、やっと両親を振り返ることが出来るようになった。

両親から貰ったものを確かめて、思い出して、自分は新しい家族になにができるだろうと考える。答えは過去にあって僕の中にある。それは僕の中に両親がいるということだ。そう考えると生きていて良かったなと思う。

 写真家としての自分の全力を見てみたい。2012年の秋 35歳のときに「手紙」というタイトルで作品をまとめ、Nikonのコンペに出した。入選すれば、東京と大阪で写真展ができる。12月には入選の知らせが届き、2013年6月に初めての写真展を行うことになった。 

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 写真展「手紙」は父の絵、家族アルバムの写真、僕が撮った写真で構成し、35歳の僕から両親に宛てた手紙とともに展示した。21歳の僕が思い描いた作品だった。会場には自分の人生の断片が写真になって並んでいる。知らない人が僕の写真を見て涙することもあった。伝わっている。僕の写真を見た人が、自分の体験とリンクさせて見てくれている。この写真展で初めて作家としての評価を受け、2014年にNikonから三木淳賞を受賞した。家族が僕を作家にしてくれたんだと思う。

受賞後はこれまで以上に写真にのめりこんでいった。作家を生業として生きていきたい。家業の合間を見つけては家族や風景の写真を撮って並べる作業を自分のために続けた。

 

real.tsite.jp ご予約と詳細はこちらへ

「Picture of My Life」を展示させて頂いている,地元大阪の梅田蔦屋書店さんで出版記念のトークライブ&サイン会を行います。9月3日(日)14時〜16時です。
本作を作った動機と経緯,これからの事なんかを話したいです。「Picture of My Life」の手製ダミーブックも持って行きます。ご都合よろしければいらしてくださいね。

 

9/3(日)14時〜16 時 梅田蔦屋書店でトークイベントを開催します〜。

いよいよ3日後に迫った梅田蔦屋書店でのトークイベント。当日は僕が写真集「Picture of My Life」 を出版するまでのお話をさせて頂きます。写真集出版を目指す方々に少しでも参考になれば嬉しいです。関西の皆さん、9/3(日)14時〜16時は梅田蔦屋書店にお越しください〜。

2015年に参加したリマインダーズギャラリーでの手製本WSで、本作の原型を作りました。これがその時に作った1stダミーです。ここから本が進化していきます。当日はこれも持っていきますね。

 

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real.tsite.jp

8. 新しい家族

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写真で食べることを諦めた僕は27歳の時に、家業の運送会社で兄と一緒に働きはじめた。

「社長はええ男やった。震災の時なんか1番最初に自分でトラックにのって、神戸に新聞持って行ったんや。あん時、神戸に新聞つけたんはうちの会社だけやったんやぞ。」

「アケミさんが自殺して社長が後追いはったときはびっくりしたけど、まあしゃーないわ。あの2人仲よかったもんな~。」

職場の人たちは僕の知らない父の話を聞かせてくれた。僕は両親の自死を隠す必要がないこの場所に救われた。新しい家族をつくれば何かが変わるような気がしていた。

 

30歳のとき、知人の紹介で香織と知り合った。控えめだけどしっかりと自分の意思をもった美しい女性。おおらかで細かいことを気にしない所が母に似ているかもしれない。 彼女も僕のことを気に入ってくれて、2010年に僕らは結婚した。

 

翌年の春、香織は妊娠した。大きくなっていく妻のお腹を見ていると無性に写真を撮りたくなった。目の前を残したい一心で出産に立ち会い、新しい命の誕生を写真に収めた。当たり前すぎて忘れていた僕の中の欠落がゆっくりと埋まっていく。絶望に引きちぎられ、失っていた臓器が新しく造られるような感覚。娘を見る僕の眼差しは両親が僕を包んでいたものと重なる。僕はこんなにも愛されていたんだ。

 

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「Picture of My Life」を展示させて頂いている,地元大阪の梅田蔦屋書店さんで出版記念のトークライブ&サイン会を行います。9月3日(日)14時〜16時です。
本作を作った動機と経緯,これからの事なんかを話したいです。「Picture of My Life」の手製ダミーブックも持って行きます。ご都合よろしければいらしてくださいね。

 

 

7. 写真学生

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「今年の7月に世界が破滅するって、予言者が言うてたらしいけど、なんも起こらんかったな。うちの家族は去年ぶっ壊れたけど…。世界なんか全部終わったらええのに…。」1999年12月、両親の一周忌が終わった後、僕は兄に言った。

 

両親の死後、時間は何もなかったように流れて、世間は僕に生きることをしいる。内臓がもぎ取られたような痛みがある。思考を前に進めることが出来ない。“現実を受け入れる” なんて理性的な言葉があるけど、自分ではコントロール出来ない力で、この言葉を拒否している僕がいる。両親の自死を思い出すことと、憐れみの目を向けられることが苦痛だった。そのうち人とうまくコミュニケーションが取れなくなった。両親の自死が人に言えない自らの欠落となり、人の目を見ることができない。父が作った家族アルバムは押し入れにしまって見ないようにした。できるだけ何もせずに、ただ眠っていたかった。

 

家族6人で暮らした大きな家に22歳の僕1人で住んでいた。脱いだままの服が散らかり、観葉植物は枯れ、あんなに綺麗だったリビングが埃にまみれた廃墟のようになった。家は住む人によって生き物のようにその姿を変える。家族みんなで住んでいた頃の清潔で安定した空間は、あっという間に不安定な僕の内面を反映した。ただ、時間が流れて少しづつ両親の記憶が薄れることは僕にとっては救いでもあった。食べるために働き、新しい情報を入れ、目の前を写真に収めて前に進む。生きるための作業を行うことで、少しづつ両親を思い出さない日が増えていった。

 

 両親の自死を核にした写真作品を作りたい。悲しみにくれる自分とは別に、作家として冷酷に両親の自死を値踏みしている僕がいる。両親の相次ぐ自死が表現する愛と絶望を直視して具現化すること。父が自死を前に編集した家族アルバムを見たときに僕を貫いたあの感覚を人に見せることが出来れば、凄いものになると確信していた。

 

23歳で写真学校の夜間部に入学して技術を学んだが、祭壇や遺骨の写真を人に見せることができなかった。この頃の写真を見ると感情が乱れて、写真を素材として扱えない。

写真で生計を立てることを考え、雑誌で人物紹介の写真を撮ったが気持ちが入らない。何度か試して自分が撮影する意味を見つけられずに辞めてしまった。僕の思う写真はこれじゃない。だけど、自分のために撮った写真は孤独なものばかりで、人に見せたくなかった。自分の求める写真がどんなものなのか分からない。このころの写真は僕に自らの孤独を突きつけるだけだった。次第に写真に関わることの全てが苦痛になっていった。26歳の僕の人生を前に進めるのは写真ではなく、自立した大人になることだと思った。家族で過ごす、なんでもない幸福が欲しかった。

 

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「Picture of My Life」を展示させて頂いている,地元大阪の梅田蔦屋書店さんで出版記念のトークライブ&サイン会を行います。9月3日(日)14時〜16時です。
本作を作った動機と経緯,これからの事なんかを話したいです。「Picture of My Life」の手製ダミーブックも持って行きます。ご都合よろしければいらしてくださいね。